この「野鳥の巣」は数日前に山梨県にある山中湖を見下ろせる里山にハイキングに行った際に見つけたものです。巣の大きさはおよそ12~15cmくらいで、見た感じ芯材として乾燥したイネ科の植物が使われていて、その周りを乾燥した蘚類のコケで覆ってありました。おそらく巣を覆ている苔はハイゴケやシノブゴケなど近隣の樹林帯から調達した匍匐性のコケだと思われ、心材の植物にはそばに広がっていたススキの枯れ草を使ったのでしょう。巣の中には卵の殻と、保温用に集めてきた動物の毛と思われる黒い毛が僅かに残っていました。
コケを巣の材料とする鳥はミソサザイやシジュウカラが有名です。ただシジュウカラの卵はウズラのように模様があるはずで巣に残っていた殻にはそれが無く、ミソサザイの巣にしてはコケの量が少なくラフな造りに見えますので、そのほかの野鳥の可能性もありますね。