これから訪れる台風シーズンに降る雨には、通常より多く塩分が含まれていることがあり、このようにコケにダメージを与えて変色させてしまう事があります。
なぜ台風の際に降る雨には塩分が多く含まれるかのというと、沿岸部では強風により直接潮風が吹き付け雨に含まれてしまいます。そして内陸部でも台風の雨には塩分が含まれる場合があります。これは、海上で発達した台風が海水を巻き上げるため遠方で降る雨にも塩分が含まれてしまうのです。ゲリラ豪雨の場合も、海上で発生した積乱雲がもたらした降雨の場合は塩分が含まれていることがあります。
そして塩分を含んだ雨水がコケだけでなく多くの植物にダメージを与えてしまうのは、塩漬けの漬物のように浸透圧により植物の細胞から水分を奪ってしまう事と、ナトリウムイオンは植物に吸収されると毒性を示す要素が多く、海水塩分中に存在するナトリウムイオンの毒性からダメージを受けてしまいます。
これらの対処法としては、台風やゲリラ豪雨の前には苔玉や苔盆栽など移動できるものは、屋内や軒先など雨の当たらない場所に移動しておきましょう。苔庭の場合は、雨が上がったら出来るかぎり早めに散水をして塩分を洗い流してあげましょう。この場合は多めに散水をすることで、土壌の塩分も多少なりとも薄める事ができます。