強固なコンクリートでも長い年月が経つと、コケや地衣類などが生えてくる事があります。特にその場所がコケや地衣類の生息に適した環境だった場合に発生しやすいですね。
多くのコケは、空間湿度や温度が適度に保たれていて、それらに大きな変動が無い環境を好みます。そして、ある程度の光も必要となりますが、これは太陽光でなく人工的な光でも生育可能です。地衣類の場合は、日当たりが良く乾燥と湿潤を繰り返す環境にあるコンクリート壁に発生しているのをよく見かけます。しかし、成長が遅く一度除去してしまえば暫らくは気になるような事はありません。
コンクリートにコケが生えるのを予防するには
まず空間湿度が高い状態を保たない事が重要です。具体的にはその場所の風通しを良くしたり、雨水が当たらないようにするなどですね。また、コンクリートは施工から年月が経つにしたがい空気中の二酸化炭素や雨水により、アルカリ性だったコンクリートが中性化してくるとコケが発生しやすくなります。
これらの要因を低減するために、コンクリートの表面に専用の塗装や、特殊なコーティング(Sクリートアップなど)を施す事も有効な方法のひとつです。このような対策は適切な塗料の選定と正し施工を行えば、コケの発生予防だけでなくコンクリートにとってもメリットが多いです。もしDIYで対処すのであれば、コンクリート専用のプライマー(下地剤)と塗料を使用しましょう。通常の塗料を使ってしまうと塗膜の剥離ばかりか、コンクリートの通気性を損ねてしまいコンクリート内部の湿気を逃がせなくなってしまいます。
上の写真は、コンクリート用の塗装を施した構造物の一部が破損して、コンクリートが露出してしまっている箇所です。塗装が残っている部分とコンクリートが露出した部分で、はっきりと違いが現れています。塗装部分が無くなり大気と触れてしまっていたコンクリート部分は、表面に風雨による劣化が見られ、おそらく地衣類だと思われるものが発生していました。この場所がコケが好むような空間湿度の高い半日陰だったとしたら、コケがはえていたでしょう。