里山の中を歩いていると、写真のように円を描いているような生え方をしている地衣類を時々見かけます。この写真の個体は中心部にも葉状地衣類が生えていて完全な環状にはなっていませんが、なかにはパーフェクトな環状の円を描いているのを見かける事があります。
なぜこのように環状になるのかというと、地衣類の成長の仕方が関わっています。葉状地衣類や固着地衣類の成長は、最初に小さな一点から始まり少しずつ外側へ向かって成長をしていくので、環境要因や基物の状態に差が無ければ比較的円形になりやすい傾向があります。
そして葉状地衣類や固着地衣類で作られた円形のコロニーの中心部は、古く老化した地衣体を主とした構成になっていきます。そうなると特に葉状地衣類の場合は、風雨にさらされた際に樹木や岩などの基物から剥がれてしまう事もあるのです。その結果として、円形コロニーの中心部が空いた環状の地衣体となるのです。