個性的で妖艶な姿をしたハナゴケ属の地衣類に特徴的な小枝のようなものは、子器を付けるために伸びてきた子柄の姿です。
ハナゴケ属はまず初めに基本葉体と呼ばれ、多くが鱗片状をした小さな地衣体や顆粒状の痂状をしたところから発生します。そしてそこから小枝のような子柄を伸ばし、成熟すると子器を付けます。そして子柄を伸ばし始めると基本葉体は消えて無くなり、よく見かける樹状地衣の姿となります。
しかしジョウゴゴケやアカミゴケの基本葉体は永続性があり、よく観察すると鱗状の基本葉体を見ることができます。そして、そこから再び子柄を伸ばす事ができるのです。ただしアカミゴケのなかには、基本葉体が消滅してしまう個体もあります。