水槽や池の水草に生えるコケのようなものは、そのほとんどがコケ植物ではない事が多いです。上の写真のオオカナダモという水草に生えた緑色をした糸状の物体も、コケ植物ではなくアオミドロと呼ばれる緑藻の仲間である接合藻の一種です。
糸状の物体を拡大してみるとアオミドロの特徴である、葉緑体を格納した細胞が1列に多数繋がった糸状の形状で無分枝という特徴を持ってたので、おおむねアオミドロで間違いないでしょう。ちなみに緑藻の仲間で身近な植物といえばアオサやマリモなどがあり、食用の海苔も緑藻や紅藻など藻類の仲間から作られています。
そして水草に生えるコケはアオミドロのほかにも、黒くて筆先の毛のような姿をした黒髭藻や黒房藻と呼ばれる紅藻や、ドロリとした膜状の姿をしたシアノバクテリアと呼ばれる藍藻の仲間であったり、他にも多くの種類が生えてきます。しかしその多くがコケ植物ではありません。
参考までに上記で紹介したコケ植物ではないコケが繁殖してしまう要因は、緑藻類は窒素分が過多により発生増殖し、紅藻はリン酸分が過多になると増殖し、藍藻は水質が高硬度でアルカリ化していると発生する事が多いようです。