ミカヅキゼニゴケの駆除に石灰は効くのか検証した結果です。

2021年12月13日

コケの駆除 苔の知識

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ゼニゴケの仲間って生育に適した環境が揃うと、驚くほど繁殖して地面を覆ってしまいます。今回はゼニゴケの仲間でも「ミカヅキゼニゴケ」の駆除を農薬を使わずに、石灰を撒いて蘚苔類が苦手なアルカリ土壌にする事で駆除できないのか検証してみました。

石灰による駆除を試みたミカヅキゼニゴケ

結果はというと、上の写真を見ていただけると分かりますが惨敗です。まったくといってよいほど効果がありませんでした。若干ですが、葉状体のフチが茶色くなり枯れこんでいる部分がある程度でした。

石灰による駆除を試みたミカヅキゼニゴケ(無性芽器)

「ミカヅキゼニゴケ」の特徴である「三日月」の形をした無性芽器と、ヒラ豆のような無性芽も無数に作られていて、さらなる大繁殖のための準備段階に入っているようでした。どうやらゼニゴケの仲間には石灰による駆除効果は無いようですね。

コンクリート上でも生息しているのを見かけるゼニゴケの仲間は、アルカリ性の土壌に対する耐性をもっているのでしょう。しかし、中性化(コンクリートが雨や大気の影響でアルカリ性から中性に傾く事)の進んでいない新しいコンクリートにはゼニゴケが発生しないことから、少なくとも強いアルカリ環境下では生育できないはずです。

最後にここからは、ミカヅキゼニゴケについての余談です。ミカヅキゼニゴケは地中海原産の帰化植物です。そして日本に入って来ている種は、ほぼ全てが無性芽で増えたクローンなのです。不思議なことによく見かけるゼニゴケのような雄器托や雌器托のような生殖器官は、日本で生育している個体では滅多に発生しないようです。また、ミカヅキゼニゴケの原産地は地中海性気候の温帯地域のため本来は霜に弱いのですが、日本に帰化している種では比較的霜に強く、青森県でも生息を確認されています。ミカヅキゼニゴケは環境に対する適応力が高く早いのかもしれませんね。


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kokemosskoboロゴ 著者:苔モス工房

苔玉づくりをきっかけに苔の魅力にどっぷりハマってしまい、現在は苔庭や苔盆栽からモスインテリアなど多岐にわたり没頭中。さらに詳しくは⇒About us

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