苔って山の中に入ると、あちらこちらに生えているものだから改めて適応性が高い生物だなと思います。でも良く観察していると無作為に生息しているのではなく、住みか選びに彼らなりの好き嫌いがあるようですね。たとえば次の写真のように北斜面と南斜面では、苔が繁殖する勢いに違いが見られます。
上写真は北斜面にある苔の生えた岩です。苔は岩石の全体に満遍なく繁殖していました。
上写真は南斜面にある苔の生えた岩です。こちらは岩石の少し窪んだ所や、表面が荒れている場所に偏って生えていました。
ちなみに上の2つの写真の場所は、同じ山域の狭い範囲なので岩石の種類や環境は大きく変わらないはずです。北斜面と南斜面と言う事で日照時間の違いは大きいと思います。苔は種類により好む日照条件が違いますが、わりと日向を好む種類の苔であるスナゴケなども北斜面の方が葉色や分布面積が広い事から元気がいいように感じます。
この事から苔は全般的に北側の斜面の方が生育環境が適しているのかもしれません。一番の要因は直射日光と極度の乾燥に曝されないと言う事と、おそらく南側のように昼夜の温度差や湿度の差が少なく環境ストレスが少ないことから、無駄な生命活動エネルギーを使わずに済むことも要因と推測します。