苔って植木鉢でも問題なく育てる事が出来ますが、せっかく育てるのならお気に入りの入物を探して育てると、さらに愛着が増すのでオススメですよ。 入物は植木鉢のように穴が開いていなくても、水やりの仕方だけ工夫してあげれば簡単に育てる事が出来ます。
お家にあるかわいいマグカップも素敵なコケカップに早変わりです。ほかにも100円ショップや雑貨屋さんなどでお気に入りの容器と出会ったら、ぜひ挑戦してみてください。ただし金属製の入物は腐食したり、苔の生育を妨げる物質が溶け出してくる素材もあるので注意が必要です。
今回とある陶芸体験に参加させていただき、陶器で猫をモチーフにした苔ポットを作ってみました。素材は京半磁器という粘土で作りました。半磁器という粘土は「吸水性の高い陶器」と「耐久性の高い磁器」の両方の性質を持っていますが、どちらかというと磁器に近い粘土になります。
磁器や陶器には難しい半磁器ならではの保水性能が、苔の好む湿度の維持につながるため適材と判断して選定しました。写真は粘土でかたちを作った後に、自然乾燥させた焼成前のものです。また、受け皿を敷かなくても良いように底穴はあけていません(半磁器のため完全止水では無いのでコースターのような敷物は必要)。
試しに苔を入れてみた写真です。猫の背中部分に開けた穴に苔を入れるようになっています。焼成前のため水で濡れないように、仮でミズゴケをラップで巻いた苔を入れています。
斜め上から見るとこんな感じで、全体的に丸っこいフォルムにして、ふっくらした猫の可愛さを表現した苔ポットにしてみました。焼成は素焼きだけで釉薬はかけず、経年変化で表面にも苔が生えてくれれば嬉しいなと思います。焼き上がりがとても楽しみです。
このポットのように底に穴の開いていない磁器やカラス製の容器を苔ポットとして利用する場合は、苔を入れる穴の底部には通気性と抗菌性向上のために活性炭を敷き、その上に用土と苔を入れるのが苔を元気に保つコツです。水をあげる時はジョウロではなく霧吹きで苔の表面に水滴が付く程度にすると、お水のあげすぎにならず最適です。