ミカヅキゼニゴケは「帰化植物」それとも「外来植物」

2020年8月30日

苔の知識

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ミカヅキゼニゴケ

ミカヅキゼニゴケは古来から日本に生息していた苔ではありません。現在は公園や空き地などで容易に見つける事ができる身近なゼニゴケの仲間ですが、実は地中海周辺の地域が原産地とされています。

日本で最初にミカヅキゼニゴケが見つかったのは、なんと1929年の仙台でのことでした。そして国内では長らくミカヅキゼニゴケの胞子体は発見されていませんでしたが、近年になり広島や兵庫などで見つかっています。

もともとは日本に生息していなかったのに、何らかの要因により国内に侵入し野生化してしまった植物の事を「帰化植物(naturalized plants)」と呼んだり、「外来植物(alien plants)」と読んだりしています。しかし「帰化」と「外来」どちらの呼び方が正しいのか悩んだので、いくつかの文献を調べたり植物や語源などに詳しい方にお話しを聞いてみました。

本来は帰化という言葉は法律上の用語で主に国籍について使われていますので、生物学の用語に使うのに抵抗がある方々が多いそうです。また「帰化」というと、植物が侵入後に野生化して日本の在来植物になった種というようなニュアンスにも繋がるため、相応しくないとの意見もありました。

その他に「帰化」と「外来」を次の様に使い分けている文献などもありました。《在来種に影響がない種を帰化植物と呼び、影響がある種を外来植物と呼ぶ。》しかし、この場合は影響の無し有りの判断が長年かけて時間の経過とともに変わるかもしれないという不確定要素が多く難しいですよね。

結局のところ「外来植物」と呼ぶのが無難なようですが、現在はもはや「帰化植物」という言葉が一般的に使われているような気もしますね。

ちなみにこの記事を書いている時点では、ミカヅキゼニゴケは特定外来生物には指定されていませんでした。こちらのサイトで、特定外来生物等一覧が閲覧できます⇒日本の外来種対策【環境省】

今のところ特定外来生物には指定されていないので、特に制限は受けていませんが「外来種の苔」という認識は持っていたいと思います。


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kokemosskoboロゴ 著者:苔モス工房

苔玉づくりをきっかけに苔の魅力にどっぷりハマってしまい、現在は苔庭や苔盆栽からモスインテリアなど多岐にわたり没頭中。さらに詳しくは⇒About us

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