強酸性の硫黄泉でも生きていける不思議なチャツボミゴケ

2021年1月25日

苔の知識

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硫黄泉から流れ出る水

硫黄泉や鉱山から流れ出る水は、植物にとって有害な物質(アルミニウム・ヒ素・水銀など)の含有やPH値が逸脱していたりして地獄のような環境です。しかしこの様な場所を好んで生息する苔もいます。

その中でも有名なチャツボミゴケは、強酸性の硫黄泉が流れ込む環境を好み他の植物が繁殖できない環境に適応する事で生き残りをかけた苔です。では、どのように地獄のような硫黄泉付近で生息しているのか紹介します。

まず、さすがのチャツボミゴケも硫化水素の含有量の多い噴き出し口付近には生息していません。泉源から少し離れた場所で、湧水に含まれていた硫化水素が大気中の酸素と結びつき、十分に分解された範囲で生息し硫化水素の害から身を守っています。

次に、酸性水に溶け込んでいる有害物質の多くは、細胞質ではなく細胞壁に蓄積しているという調査結果がありました。どうやら生命活動に重要な細胞の中には取り込まず、細胞の骨組みや壁の役割を果たしている細胞壁に蓄積することで、生命活動に影響が出ない様にしていると思われます。そして肝心の強酸性水への耐性はどのようにして獲得したのか、まだ詳しく解明されていないのだそうです。おそらく長い年月をかけて耐性のある遺伝子に淘汰されていったのでしょう。

ちなみにチャツボミゴケは硫黄泉とは切り離せない関係のようで、群落地でも硫化物イオンの低いエリアでは個体数が少なく、硫黄泉の湧水量が減少した場所では枯れてしまった場所もあります。


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kokemosskoboロゴ 著者:苔モス工房

苔玉づくりをきっかけに苔の魅力にどっぷりハマってしまい、現在は苔庭や苔盆栽からモスインテリアなど多岐にわたり没頭中。さらに詳しくは⇒About us

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