雨水を貯めておき苔に撒くという方法は、水道水に含まれる残留塩素やフッ素などの添加物の影響やコストを考えた時に優れた方法だと思います。しかし地域によっては苔が苦手な酸性雨を貯める事になってしまうので、事前に雨のPH値を調べておいた方が良いでしょう。
また最近は屋根に降った雨水を雨樋を通して集めて、貯水タンクに貯めるシステムの商品が販売されています。このようなシステムで雨水を集める場合は、屋根を葺いている素材や雨樋の材質も気をつけなけれはなりません。特に銅葺き屋根の場合は、ホンモンジゴケなど一部の苔を除いては苔の生育に悪影響を及ぼします。そのほか梅雨時などはカビの発生にも注意が必要ですね。
総合的に考えて苔庭などで散水面積が広い場合には、エコで良い方法だと思います。屋内栽培のモスインテリアのような場合は、あえて雨水を貯める必要はなく浄水器(ミネラルを添加しない製品)を通したお水を、霧吹きしてあげる程度が手間もかからずお勧めできます。
そして雨水を貯めておく雨水タンクについては、多くの自治体が購入費用の助成金を出していますので購入前に調べておいて損は無いです。おおむね購入費用の半分を補助している自治体が多いです。Web検索する際は「自治体名+雨水タンク+助成金」で検索すると詳細を見つけやすいです。
話しは変わりますが… 先ほどふれたホンモンジゴケは、有害な銅を化学的に無毒な形にして体内に蓄積しています。その後世代交代しながら銅を無毒化し土に還っていきます。まるで重金属により汚染された土地を浄化しているような働きをしています。そしてホンモンジゴケは銅汚染下では無性芽の形成は抑えられ原糸体の成長が促進されます。銅汚染という劣環境下では自分と同じ性質の無性芽ではなく、より環境耐性を持った子孫の繁栄を期待しての仕組みではないかと考察します。