結局のところ苔は炭との相性は良いかの考察

2020年11月2日

苔の栽培について

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苔と炭

結論から言ってしまうと、決定的な根拠のある説はなく炭を使う事の影響について良否がついていないのです。そこで今回はいくつかの文献を参考にしながらも、個人的な経験と推測を織り交ぜながら考えてみたいと思います。

苔庭に挿した木炭

上の写真は、土壌が硬くなり水はけが悪くなってしまった苔庭に、通気性と排水性の向上のために木炭の杭を挿し込んだものです。わずかですが木炭の周りの苔が活気を取り戻しているのが観察されます。

これは土壌の排水性が良くなり周囲の蒸れが無くなった事が一番の要因だと思いますが、それ以外にも炭による調湿作用や長い時間をかけて少しずつ溶け出す炭のミネラルが苔を元気にしていると考えられます。それの根拠として排水性改善の為に低コストなプラスチック製の排水システムを使った場合は、ここまで苔の葉色は良くなりません。

ただここで注意しなくてはいけない事があります。よく知られていますが苔はとても肥料を嫌う植物です。化学肥料だけでなく水道水に含まれるミネラル分もあまり好まない程です。そのため市販されている炭を手に入れて未処理で苔に対して使ってしまうと、木炭は特にですが新しい炭から浸み出してくる灰汁(アク)が悪影響を及ぼしてしまい、最悪は苔が枯れてしまう事もあるので注意してください。

炭を買ってきたらまずはバケツなどに水をはり、炭を漬け込みアク抜き作業をしましょう。最初は水に浮いてしまう炭はもあるので、植木鉢などで沈めてやると良いです。そして数ヶ月のアク抜き期間中は定期的にバケツの水を取り替えましょう。理想は数年間雨ざらしにされたような炭が理想ですが、おおむね数ヶ月~半年かけて水でアクを抜く方法でアク抜きした炭を使用していて悪影響が見られなかったので問題ないと思います。

苔庭の木炭パーテーション

このようにお庭の苔エリアを仕切るパーテーションのような使い方をするために、大量に木炭を配置した場合は、排水性と蒸散性が大きくなり周囲の湿度が下がり乾燥し過ぎてしまう事もあります。夏季など炭の優れた調湿性でも追いつけない場合は苔が枯れてしまう事もあるので、その場合は多めに散水してください。

竹炭と苔

苔庭などで炭を大量に使った場合は、竹炭を使った方の苔庭が木炭使用の苔より葉色が良いことから、経験上でのお話しになりますが同じ炭の中でも木炭より竹炭みの方が、苔には好ましいと推測されます。

ということで、お話しの内容が「苔は炭との相性が良い」のような流れになってしまいましたが、現在の環境で健康な苔に対して積極的に手を加えて炭を使用するメリットは無いと思います。デザイン的には漆黒の炭と濃緑の苔のコントラストがたまらなく素敵に感じます。

結局のところ苔と炭の相性はというと、「生育環境として⇒△ デザインとして⇒〇」といったところでしょうか。


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kokemosskoboロゴ 著者:苔モス工房

苔玉づくりをきっかけに苔の魅力にどっぷりハマってしまい、現在は苔庭や苔盆栽からモスインテリアなど多岐にわたり没頭中。さらに詳しくは⇒About us

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