どうしてジャゴケは嫌われ者なのでしょう。おそらく見ための第一印象で嫌われているんだと思います。ジャゴケは名前の由来にもなっていますが、表面の模様が蛇のウロコのようになっています。これがグロテスクに見えるというのと、生育環境も湿度が高く日陰というネガティブなイメージですからね。
しかし、ジャゴケってよく知ると変わった特徴や興味深い点もあるんですよ。そのひとつにジャゴケの葉を軽く擦ると、ほのかに松茸そっくりな香りがします。またジャゴケのグロテスクな蛇模様も良く観察すると、不思議な構造をしていておもしろいと感じると思います。
ちなみにジャゴケと言っても、いくつか種類があり世界的には7種類ほど発見されていると聞きました。日本国内では「オオジャゴケ,ヒメジャゴケ,ウラベニジャゴケ,タカオジャゴケ,マツタケジャゴケ」などの種類が確認できているようです。
今回、知人から譲っていただいたジャゴケは、おそらく「オオジャゴケ」だと思います。 ただし、まだまだ勉強不足な私には確実な鑑別が難しく、もう少し成長を待ち無性芽や雌器托または雌器托の特徴を見て鑑別したいと思います。
では、さっそく採取してきたジャゴケの腹側(仮根の生える地面側)についた土や腐葉質を、今回は観察のために水に浸け優しく洗い落としました。腹側は緑色だったので、ウラベニジャゴケではないと推測されます。仮根は産毛の様に細いものが中肋に密集して生えていました。
植木鉢は保水性の良い素焼きのテラコッタ鉢を使います。モスポットというコケ栽培に適した鉢もありますが、よく市場でモスポットと言う名称で販売されている鉢のなかには、苔の生えたアンティーク風という意味合いの商品が多く、塗料や釉薬が厚く塗られて仕上げられている事もあるのでお勧め出来ません。釉薬の掛かっていない素焼き鉢が苔の栽培には最適です。
用土は細かめの赤玉土を使用し、鉢の7分目までしか入れません。これはジャゴケの根は仮根といい水分や栄養を吸収する機能はほとんど無く、大きく成長しないため深さは必要ありません。れより鉢の縁からの深さをとる事で、空間湿度の維持を図っています。
先ほど洗ったジャゴケを重ならない様に並べて、軽く押して仮根と用土を密着させます。このあと一ヵ月くらいは鉢の下に容器を敷き腰水をし、湿度の高い日陰に置きます。あまりにジャゴケの表面が乾くようなら、ラップなどで覆い小さな穴を沢山あけ湿度の維持に努めます。しかしこの方法は温度の上がり過ぎに注意してください。